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植物タンニン鞣し

植物タンニン鞣しを選ぶ理由

一般的に、皮は2つの方法で鞣されます。1つは、非常に汚染性が高く発がん性のある塩基性硫酸クロムという化学薬品で鞣す方法(クロムレザー)、もう1つは、アカシアやミモザなどの植物のタンニンで鞣す方法(タンニンレザー)です。
ナテラ・ファクトリーではお客様と職人の健康を考えて後者の方法を採用しています。もちろん、鞣しだけでなく着色時にカラーバスに使用する染料もクロムフリーです。

タンニンとは・・・植物に含まれるポリフェノール化合物の一種。植物組織の中に、溶液として存在している。皮革工業では「タンニン」、食品では「カテキン」「ポリフェノール」などと呼ばれています。

鞣し(なめし)とは・・・皮の主成分であるタンパク質やコラーゲン分子を、化学的に結合させて皮の内部構造を安定化させることをいいます。 通常、皮は時間が経てば乾燥して硬化と伸縮し、やがては腐って廃棄するしかないものになってしまいます。 これらを防ぐのが鞣しであり、この鞣しによって皮は腐ることのない耐久性のある素材に生まれ変わるのです。 また、一度鞣しを行った革は、この性質が容易には元に戻らないという特性も持ち併わせています。

土に還るレザー

現在世界の革製品の約8割がクロムレザーを使用していると言われています。クロム鞣しは約100年前にドイツで生まれた製法で、安価で大量生産に向いており、経年変化(エイジング)しにくい特徴があります。しかしメリットがある一方、化学物質を使用するため、廃棄・焼却時に環境汚染の問題も起こっています。

タンニン鞣しは、古代エジプトから使われてきた製法で、植物のみを使用するため、環境に優しく、タンニンレザーは「土に還るレザー」と言われています。また、鞣す工程で手間やコストがかかるため、高級皮革と呼ばれることもあります。ナテラ・ファクトリーでは、できる限りナチュラルな製品をお客様にお届けするため、タンニン鞣しを採用しております。エイジングが楽しめる高級皮革はエレガンスの象徴となり、大量生産の製品とは異なる個性をあなたに与えてくれることでしょう。